「やっぱり歩いた方がいいですか?」
この質問は整形外科でリハビリ担当をしていると
本当によく聞かれる質問です。
先に結論から言いますと、絶対に歩いた方がいいのは間違いないです。
理由は色々と言われていますが、
個人的には「筋肉での糖のエネルギー代謝をよくするため」という理由
が一番大きいです。
細かいことは他の記事を参考にしてください。
ただし、歩けば歩くほど痛みやしびれなどの症状が出てくるという方は
歩くのにも一工夫が必要になります。
ということで、今日は「理想的な歩き方」についてです。
よろしくお願いします。
まずは理論的なことからお伝えします。
痛みなく歩けるかどうかは「衝撃緩衝システム」を上手く使いこなせるかどうかが
キーポイントになります。
運動神経のいい人、運動しても怪我をしないという人は
この「衝撃緩衝システム」を上手く使いこなせています。
衝撃緩衝システムとは何か?
簡単に言えば、外乱に対してショックを吸収するシステムです。
例えば背骨で考えてみましょう。
どちらが理想的なカーブに近いと思いますか?
正解は・・・・左です。
背骨というのは衝撃緩衝を行うためには、
綺麗なS字カーブになっている方が都合が良いのです。
そして衝撃が加わると、S字カーブがほんの一瞬だけ強まり
また元に戻るといったことの繰り返しで歩いているのです。
実際に背骨のS字カーブが少なくなっている方は、どこかに痛み・しびれなどを
抱えておられる方がほとんどです。
なので
歩行時はいかに背骨・体幹で衝撃緩衝ができるかが重要なのです。
ではそれを達成するためにはどうしたらいいのか?
歩き方を意識した方がいいのか?
「歩行」というのは根源的な運動の一つです。
誰からも教わらずに勝手にできるようになったという意味でもあります。
ですので歩き方指導は慎重に行わないと逆効果になるパターンがあります。
その中で私が「歩き方」をお伝えする際に特に意識していることがあります。
それは・・・
「あえて曖昧な表現を使う」ということです。
頭で考えることをできるだけ避けたいのです。
根源的な運動は大脳皮質(考える部分)を使うと絶対に上手くいきません。
私がよく行っていただくことは
肘を深く曲げた状態での腕振り
視線の誘導
です。
今、動ける環境にいる方は一緒にやってみてください。
まずは腕振りです。
最初に肩に指先を当ててください。(当たらない方はなるべく近づけます。)
その状態で前後に大きく腕を振ります。
上下に弾むようなイメージで行ってください。
続いて、肘を直角かそれよりも少し深めに曲げて腕を振ります。
どちらが体幹の動きが大きく感じましたか?
指先を肩にくっつけるくらい肘を曲げた方が体幹がよく動くという方が
多いと思います。
回旋だけでみると、肘が直角くらいの方が体幹がよく動くと言われる方も多いかも
しれませんが、ここで着目していただきたいのは体幹の撓みですので
そこは誤解がないようお願いします。
続いて、視線についてです。
左は凝視、右は複視、もしくは遠くをボーッとみます。
これは実際に歩きながらやっていただくといいと思います。
そして、歩いている時の脱力感や体幹の動いている感じをなんとなく
感じとってみてください。
視線を固定させると体幹の動きも固まることを感じとれると思います。
ですので歩く際にはなるべく自然に視線を固定しないで済む環境を
選択することをオススメします。
もしいきなり体幹の撓みを作るのが難しい場合は
まずはバランスボールや縄跳び(後ろ跳びの方がいい)で
弾む感覚を身につけていきましょう。
あとはシューズも最低限、踵が安定しているものを選んでくださいね☆
詳しく学びたい場合は水口慶高氏の著書を参考にされると良いと思います。
では皆さん、健康のために歩きましょうね☆
最後までお読みいただきありがとうございました。