こんにちは。
今日は対症療法と根治療法についてお話しします。
対症療法とは「結果」に対しての治療です。
根治療法は「原因」に対しての治療です。
これからそれぞれについて例を挙げて説明していきます。
整形外科で例えると、「膝が痛い」と訴えられて受診された患者様がおられたと
します。それに対して、関節内に注射を打ったり、湿布を貼ったり、飲み薬を
飲んだり、リハビリで筋肉をマッサージしたりすることがあります。
これは全て、対症療法であり「結果」に対する治療になります。
症状が出現してからの経過が3ヶ月程度までであれば、対症療法で症状が
落ち着くこともありますが、これらの治療は決して「原因」に対する
介入ではありません。
では、この「膝が痛い」といった症状の「原因」はなんなのでしょうか?
これに関しては複数の因子が絡んでくることは間違いないのですが、
問診をしたり、身体を細かく診ないことには検討もつきません。
「なんでなんで」と思考を進めていって、それ以上次の理由が
見つからないところまで辿り着けば、まずは原因の一つである
可能性が高いと言えるでしょう。
例えば、
「膝が痛い。」
なんで
「膝関節が壊死しているから。」
なんで
「体重をかける時に膝が捻れているから。」
なんで
「足首がグラグラしているから。」
なんで
「ヒールばかり履いてるから。」
なんで
「なんでって言われても・・・」
この「なんでって言われても」ってところまで行けばそれが原因の一つです。
でも他にも要因があるかもしれません。
「膝が痛い。」
なんで
「膝の内側の半月板が損傷しているから。」
なんで
「体重が重くて負担がかかっているから。」
なんで
「お菓子の食べ過ぎだから。」
なんで
「なんでって言われも・・・」
このように問診を進めていくと
「膝が痛いのはヒールを履いていて、お菓子を食べ過ぎていることによる肥満
が大きく関係している。だからこの患者様の膝の痛みを根本的に解決するために
は、履物のアドバイスと食事療法が必要」
という判断ができるのです。
私は対症療法と根治療法はどちらも必要だと考えています。
使い分けは次のように考えています。
対症療法が必要なケース
・痛みで歩けない、痛みで眠れないなど生活の質が著しく低下している場合
・痛みを抱えている期間が長く、根本的な原因を解決しても
局部の状態が変わらない場合
・本人が強く対症療法を望む場合
根治療法が必要なケース
・3ヶ月以上、症状を抱えている場合
はっきり言えることがあります。
対症療法のみでよくなるケースは放っておいてもよくなります。
なぜなら、薬や湿布などだけでよくなるのは「自然治癒力」が備わっている
証拠だからです。
ほとんどの場合は対症療法のみではよくならないので
真の原因に対する介入が必要になります。
残念な話なのですが、今、病院やクリニックで根治療法を目指しているところ
皆無に等しいです。表上は症状を何とかしようとしていますが、
全て「結果」に対する治療なので長期的にはよくなりません。
ですので、慢性疾患を抱えておられる方は一旦症状が落ち着いても、
数ヶ月後〜1年後にまた来院されるといったことの繰り返しです。
しかし、こういった現状になっているのには理由があります。
医者
・問診や身体評価に時間がかかる。
一人一人丁寧にみている時間がない
・他の分野の知識がないと「原因」も思いつかない。
・病院自体の利益も考えないといけない
患者
・保険料が安いため病院任せになっている。
(自分で治そうという気がない)
こういった現状の中でも、私がオススメするのは
リハビリです。
それは私がリハビリ専門家だからと言う理由・・・・・・
ではないです笑
リハビリではおそらく、患者様とセラピストが関わる時間が一番長いので
問診も十分にできれば、身体評価も十分にできます。
ですので、根治に向けた的確なアドバイスもできます。
特に整形外科を受診される場合は
リハビリができる病院やクリニックを探すことをオススメします。
終わりになりましたが、この図のように
表の葉っぱや木ばかりを見つめずに、土で隠れている根っこの部分に
何とか目を向けてみてください。
目に見えないので難しいのは間違いないです。
でもそこに目を向けるのと目を向けないのとで
将来の健康状態までもが変わってきます。
今のうちに自分でできる対策はしておきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました☆